歴史と潮の香りが混じり合う街・金沢八景を歩いてみよう!

京急金沢八景駅といえば、八景島シーパラダイスへ向かうシーサイドライン乗り換えによく利用される駅ですが、実は歌川広重が描いた浮世絵で有名なエリア。

金沢八景周辺は海を眺めながらの歴史散策ができる街なのです。

お隣の駅「金沢文庫」から「金沢八景」まで、歴史ある寺社を巡る「歴史の道」という歴史散策コースがあるのですが、実は紹介されているものを全て巡ろうとすると一日がかりになります。

今回は歩き慣れていない人にもちょうどいい距離のウォーキングルートをご紹介したいと思います!

こちらの記事では、歴史も感じつつ、海の風景を存分に楽しむことができるスポットをピックアップして紹介していきますね。

金沢八景マップ
金沢八景マップ

①瀬戸神社

金沢八景 瀬戸神社
金沢八景 瀬戸神社

金沢八景駅から歩いて2分のところにある「瀬戸神社」。瀬戸というエリアにあり、広重の「瀬戸の秋月」で描かれている地域です。

鎌倉時代まで金沢区の平面地帯はほとんどが入江で、洲崎と呼ばれているエリアが洲となり、その間に狭い海峡ができて急流が渦を巻く「瀬戸」だったのです。

交通の難所であったことから瀬戸神社の辺りは海神が祀られ、一説によると罪穢を流し去る場所としても神聖な場所であったようです。

瀬戸神社は、源頼朝が伊豆三島明神を勧請して社殿を建立したのが始まりという歴史ある神社。

境内には「蛇混柏(ジャビャクシン)」と呼ばれる、 江戸時代の始まりに大風で倒れてから朽ちずに横たわっている柏槙(ビャクシン)があります。

徳川家康も瀬戸の景観を気に入り、瀬戸神社の参拝のみならず、百石の社領を寄進しているんですよ。

ヤマアジサイ

瀬戸神社ではヤマアジサイが見られるので、「アジサイ神社」と呼ばれることも。

通常時だと5月には境内で「あじさい技芸祭」が開催され、若手演劇家たちによる 殺陣・ダンス・日舞・バンド演奏などの実演奉納が行われています。

②琵琶島神社

金沢八景 琵琶島神社
金沢八景 琵琶島神社

瀬戸神社から道路を挟んで、海につきだした琵琶型の島にあるのが「琵琶島神社琵琶島弁財天」。

琵琶島神社

源頼朝が瀬戸神社を創建した際に、妻の北条政子が琵琶湖にある竹生島弁財天を勧請して創建しました。

琵琶島神社の入口には、「福石」と呼ばれる石があり、この石の前で物を拾うと幸せになれると言われています。

金沢八景 琵琶島神社 福石(呉服石)
金沢八景 琵琶島神社 福石(呉服石)

源頼朝が瀬戸神社参拝の際に、海水で身を清めるために服を掛けたことから「呉服石」とも呼ばれています。

琵琶島神社は「音楽技芸の神」 とされているので、瀬戸神社で開催されるあじさい技芸祭の前には、パフォーマーたちが琵琶島神社へ参拝しに来るようになっているんですよ。

瀬戸神社と琵琶島神社は関りが深く、通常時だと毎年5月15日の「瀬戸神社例大祭」では、 雅楽の音と共に琵琶島神社へ神輿が渡される「琵琶島神社渡御祭」が行われています。

この辺りは金沢八景の玄関口となる景観のいい場所ですので、ぜひ参拝して源頼朝が禊をした平潟湾を眺めてみてくださいね。

③千代本楼・④瀬戸橋・⑤料亭東屋跡・⑥明治憲法草創の碑

瀬戸神社・琵琶島神社のほど近くにある、屋敷のような料亭が「千代本楼」。

現在は営業していませんが、江戸時代から創業していた老舗で、日本の初代首相・伊藤博文なども利用していた歴史ある料亭。司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」にも登場しています。

千代本の外観を見ながら瀬戸神社前の信号を海沿いに曲がると、広重の金沢八景「瀬戸秋月」 にも出てくる「瀬戸橋」に出ます。

ここに橋がかけられたのは鎌倉時代のことだったそうで、江戸時代には当時のガイドブック的存在だった「江戸名所図会」で瀬戸橋周辺の賑わった様子が描かれていましたよ。

明治憲法草創の碑
明治憲法草創の碑

瀬戸橋の脇には料亭東屋跡明治憲法起草の地」の碑があり、東屋跡から40mほど先に行くと「明治憲法草創の碑」があります。

伊藤博文らが 、宿泊もできた料亭東屋に集まって、明治憲法大日本帝国憲法の草案が起案されたのです。

伊藤博文は東屋のあった横浜市金沢の地を気に入り、東屋から歩いて16分ほどのところの野島町内に別邸を設け、今でも観光スポットとして入れるようになっています。

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実は東屋では草案が盗難に遭うというアクシデントがあり、その後は伊藤博文の別邸がある横須賀・夏島で完成させいています。

ちなみに草案を盗んだ泥棒は金銭だけが目当てだったので、草案自体はその後発見されて戻ってきたそうですよ。

⑦洲崎公園

洲崎公園

明治憲法草創の碑から3分ほど歩くと、一面を芝生に覆われた「洲崎公園(すさきこうえん)」が現れます。

そんなに大きな公園ではありませんが、公園の先には海が広がり開放感があります!

船が行きかう様子やその先のシーサイドラインが公園の端から端まで海と平行に横断していく姿を見ることができる、金沢八景の要素が凝縮された景観が見られる公園です。

特に5月から7月頃のシロツメクサが咲く頃は花模様の絨毯が広がり、なんともかわいらしい姿が見られます。裸足で遊んでいる子供の姿も見かけられますよ。

海に向かってベンチがいくつか設置されていて、船や電車が行きかう様子を眺めながら休憩することができるスポット。

初夏の晴れた日がよく似合う洲崎公園では、ビニールシートを持って木陰でピクニックする人たちもいますよ。

金沢八景駅前には常時100種類以上のパンが揃うベーカリーハウスアオキ(1F)/ブルーツリーカフェ(2F)(金沢八景マップ⓪)があるので、そこでパンを買っていってランチにするのがおすすめです。

⑧鰻松

出典:横浜金沢観光協会

洲崎公園から明治憲法草創まで戻り、右折して3分ほどいくと洲崎神社手前あたりに「鰻松」という日本家屋の鰻屋さんが現れます。

明治創業で伊藤博文もかつては訪れたという歴史ある老舗です。元々は金沢で鰻漁をしており、内海の埋め立てを機に鰻屋を始められています。

店内には鰻漁の仕掛けなどが展示されていて、明治創業当初からの継ぎ足しされているタレなど歴史の深さが窺えます。

今となっては超高級魚となってしまった鰻。ウォーキングついでのランチにはとても高くなってしまいますが、店の雰囲気だけでも外から感じ取ってみてはいかがでしょうか。

実はこの辺りは鰻の名店が点在しているエリアで、どのお店も美味しいと評判なんですよ。

⑨龍華寺

龍華寺

鰻松のすぐ先にある古刹「龍華寺(りゅうけじ)」。源頼朝が瀬戸神社の別当寺として建立した「浄願寺」が始まりだそうです。かつては徳川家康も宿泊しています。

徳川家康は源氏が代々受け継いできた征夷大将軍を復活させているので、源氏には特別な思いがあり、龍華寺にも寺領5石を寄進しています。

龍華寺は「華の寺」とも呼ばれており、特に4月中旬から5月には横浜市金沢区の花である牡丹サトザクラの共演が見事です。

ピーク時には14種類約200株の牡丹を愛でる 「ぼたん祭り」も開催されているほど。

規模は大きくありませんが、通常だと雛祭り時期には「つるし雛飾り&お細工物展」も開催されており、龍華寺では男の子のつるし飾りも見られます。

⑩姫小島水門跡

出典:横浜金沢観光協会

洲崎町北側」の交差点を西に進み、4分ほど歩くと川の脇に「姫小島水門跡」が見られます。突然街中に古風な水門跡が現れるので、少し不思議な光景です。

水門は江戸時代に新田開発で海水が満潮の時に入り込まないようつくられ、近年になって復元されています。

歌舞伎・浄瑠璃で知られる「照手姫と小栗判官」で、照手姫(てるてひめ)があまりの美しさに嫉妬を受け松葉いぶしをされたことから、地元の人がこの地を「姫小島」と呼ぶようになったそうです。

⑪平潟湾プロムナード

平潟湾に浮かぶ船
平潟湾に浮かぶ船

姫小島水門跡まで来たら、川を南へ行き瀬戸橋まで戻ります。ここまで早ければ1時間強、休憩をしながらじっくり見て歩いたら2時間強だと思います。

スタート地点の瀬戸神社まで戻ってもまだ歩き足りないようでしたら、シーサイドラインの高架下に沿う「平潟湾プロムナード」を歩くことをおすすめします。

船溜まり釣り人の様子を眺めながら歩くのが快適。平潟湾は遠浅の状態が多く、釣りスポットとしても人気です。

シーバススズキ)、クロダイチヌ)、キビレメバルハゼアジタチウオなどが釣れるそうで、釣り船もたくさん出ています。

以下の記事でも紹介していますが、八景島駅から2分の「シーサイド・スパ八景島」では 釣った魚を料理して銭湯に入れる「釣りパック」というプランもありますよ。

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お近くの方はぜひ歴史散策してみてください。

お隣の駅「金沢文庫」での歴史散策は、称名寺がおすすめです。よければあわせて読んでみてくださいね。

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