京急「金沢文庫駅」は鉄道ファンの中でも人気の高い駅として知られています。一般的にはあまり見られない電車の増結シーンを多く見ることができる駅として人気です。
この「金沢文庫駅」、隣は「金沢八景駅」となっていて、何やら歴史のありそうな地名だという雰囲気を感じるのですが、なぜそう呼ばれているのかあまり知られていません。
今回は金沢文庫駅の名前の元になっている「神奈川県立金沢文庫」や「称名寺」、その周辺スポットについての紹介です!
神奈川県立金沢文庫とは?
実は金沢文庫は、鎌倉の武家文化が残るスポット。鎌倉幕府を開いたのが源頼朝で、その源頼朝と結婚したのが北条政子。源氏が3代続いた後に執権を握ったのが北条氏でしたよね。
北条氏の一族に金沢北条氏と呼ばれる一族が現在の横浜市金沢区エリアにいたのです。その一人、北条実時(さねとき)氏が蔵書を持ち寄り武家文庫を設置したのが金沢文庫で、日本で初めての武家文庫であるとも言われています。
金沢北条氏が金沢区エリアを領して、すぐ隣に菩提寺となる称名寺を建立しています。
金沢八景というのは「東海道五十三次」の浮世絵で有名な歌川広重が描いた、金沢エリアの8つの景勝地の絵から名前がきているんですよ。
そのうちの一つに称名寺が描かれていて、森の奥から称名寺の除夜の鐘が鳴る風景が描かれています。
と、ここまでは歴史のお話。現在、金沢文庫は歴史博物館になっていて、隣接する称名寺とはトンネルでつながっています。位置的には称名寺の奥です。
トンネルは映画「千と千尋の神隠し」に出てくるようなトンネルで、とてもミステリアスな空間。過去の歴史の世界にいざなっているかのような雰囲気に満ち溢れています。
1階にある図書閲覧室までは入場無料で入れますので、称名寺へ行かれる際にはぜひトンネルを通ってみてくださいね。
神奈川県立金沢文庫は2021年3月26日以降はコロナ対策のため、予約制で入館となっているのでご注意ください。
花見スポットとしても有名
金沢文庫がある称名寺は、花見スポットとしても有名。朱塗りの門をくぐるとアーチのような桜並木が続く参道へと続きます。
門近くには、源平しだれ桃といった紅白入り乱れたハナモモが咲いていますので、お見逃しのないようご注意ください。
称名寺は鎌倉時代では随一となる浄土式庭園が広がり、大きな池には朱色の反橋が架かっています。浄土式庭園は極楽浄土を表現した庭園となっていて、橋は極楽浄土へ渡ることを意味しているのです。
この世に造った極楽に桜が咲く景色はとても見事で、橋の朱色が桜の色にとても映えます!
称名寺では金沢文庫へ繋がるトンネル脇に広場のような場所があり、例年だとそこにビニールシートを敷いて花見をすることができます。
毎年3月最終土曜に開催されていた称名寺桜まつりは、2021年は中止となっていますが、称名寺桜まつりは餅つき以外に天ぷらうどん、中華ちまき、豚汁といった模擬店も出るので、興味があればコロナが落ち着いてから行ってみてくださいね。
称名寺では参道に70本ほど、境内や森におよそ300本の桜が咲いているにも関わらず、週末でも特に混雑することのない超穴場スポットですよ。
アクセス・駐車場情報
京急線「金沢文庫駅」から歩いて12分です。もしくは シーサイドライン「海の公園南口駅」か「海の公園柴口駅」から歩いて10分。急ではありませんが坂があります。
金沢文庫駅は品川から快特で35分ほど、浅草線と直通になっている時もあり、実は都内からもかなりアクセスがいいのです。
金沢文庫駅東口からバスも出ていて、文13柴町行きに乗り、「称名寺」バス停を降りればすぐです。
残念なことに称名寺には駐車場がないので、車で来た人は近隣のコインパーキングへ駐車することになります。
称名寺市民の森について
称名寺には境内に森があり、「称名寺市民の森」と呼ばれています。八景島が見渡せる見晴台や、ちょっとした森林浴ができる遊歩道があり、ハイキングするには最適。
称名寺を開基した北条実時御廟(ごびょう)もありますよ。
花見以外の称名寺イベント
称名寺は桜だけでなく、黄菖蒲(きしょうぶ)が咲くことでも有名。4月下旬から咲き始め5月初旬に見ごろとなります。
この時期、称名寺で開催されるのは称名寺薪能。境内は橋などもライトアップされ、浄土式庭園は幽玄の美が増し、より神聖な空間となります。
2021年は薪能は開催されますが、ライトアップについては不明です。ライトアップが開催されない場合は2022年以降に行ってみてくださいね。
お彼岸の頃には池の畔に彼岸花も咲き、橋の朱色と花の赤色の対比がキレイですよ。
また紅葉の時期もキレイです。庭園にある阿字ヶ池の水面に鮮やかに色づいた木々がほんのり映し出されます。
初詣の時期は、ダルマみくじが人気です。親指サイズの小さなダルマにおみくじが入っていて、境内の木々におみくじと共に飾られます。
称名寺は特にイベントがなくとも鎌倉時代から続く古刹ですので、参拝がてらハイキングするにはとてもいい環境です。
金沢文庫・称名寺周辺のグルメ情報
以下では称名寺に来たらぜひ試して欲しいグルメ情報を紹介します!
国登録有形文化財がカフェに「カフェ金澤園」
2020年5月、称名寺の程近くにある歴史ある建物「金沢園」でカフェがオープンしました!重厚な雰囲気の中でカジュアルに食べられるメニューがあり、特に女性にオススメのカフェ。
特に桜の時期は、2階座敷から見られる桜の景色も堪能できて最高!晴れている日は称名寺帰りの人で賑わうので、どうしても行きたい人は電話した方がいいかもしれません。
以前にLINEトラベルで記事を書いていますので、気になる方は以下を読んでみてくださいね。
江戸時代、歌川広重が浮世絵で描いた横浜・金沢八景エリアには、明治期に建設された日本家屋で軽食が食べられる「カフェ金澤園」…
金沢区を代表するスイーツ・スイートポテトパイのお店「シャーロン」
称名寺近くには「シャーロン」という横浜市金沢区を代表するスイートポテトパイを販売する洋菓子店があります。称名寺に行ったらぜひ買ってほしいスイーツ。
手作り感あふれるポテトパイはウォールナッツやチョコレート、ホワイトチョコレートなどバラエティ豊かに揃えられ、大人も子供も楽しめるスイーツですよ。
シャーロンはケーキも美味しいですが、洋風の栗きんとんである「西柴洋風きんとん」もお正月シーズンに大人気。
称名寺とシャーロンは位置的にはとても近いのですが、称名寺が森に囲まれている地形上、歩いて行くとぐるっと回って25分ほどかかります。
バスで行くと、称名寺から「文庫小学校」というバス停まで7分ほど歩き、そこから文18「称名寺東公園前」行きに乗り、「西芝四丁目」バス停で降りるとすぐです。
他にも行き方があるかもしれませんが、車で行くと6分ほどで行ける距離。シャーロンがある通りも、全体的に背丈は低めですが桜並木がありますよ。
常時つくって出してはいますが人気の物は品薄になるので、行くときにはお目当てのものを予約しておくと安心ですよ。ちなみに店内で食べるスペースはありません。
スケジュール的にどうしても行けないけど気になる!という方は、お取り寄せも可能です。
横浜市金沢区のニューご当地グルメ、グルメバーガー
以下の記事においしいグルメバーガーが食べられる、金沢文庫駅のBAYSIDE BASE(ベイサイドベース)、Jaffe Joffer(ジャッフェジョッファ)、京急富岡駅のSUN COAST(サンコースト)を紹介しています。
金沢文庫駅西口にあるBAYSIDE BASEは、スイーツにもかなり力を入れていて品揃えもいいので、カフェ利用にも最適です。
横浜市金沢区のニューご当地グルメはハンバーガー! 横浜市金沢区といえば泣く子も黙る八景島シーパラダイスが有名な海辺エリア。 米軍基地がある横須賀が目と鼻の先にある横浜の最南端エリアでは、昔から柴漁港など[…]
2021年の花見はコロナ対策で、混雑を避けるのが必須。称名寺なら混雑もなく、情緒と風情のある花見もでき、海の公園などにも遊びに行くことができるので、とても便利。候補の一つとして参考にしていただければと思います!
横浜唯一の海水浴場である海の公園や八景島シーパラダイスもほど近いので、以下の記事もよかったら読んでみてくださいね。
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