神奈川県横須賀市浦賀には、浦賀湾を挟んで2つの神社があり、渡し船で参拝するという風情が楽しめるスポットがあります。
実は海を隔てて向き合うように建つ神社は、どちらも「叶神社」というパワースポット。その名の通り、願いが叶うと言われている夢と歴史のある神社。
今回は、浦賀のシンボルとも言える叶神社、浦賀の渡しの見どころや周辺スポットについて紹介します!
東西2つの叶神社を繋げる「浦賀の渡し」
浦賀で最も風情がある観光スポットの一つ、「浦賀の渡し」。東西にある叶神社を行き来するのに便利なポンポン船です。
案内を読むと、1733年には既にあったという歴史のある渡し船。乗り場もその当時を思わせるような造りになっています。大体アダルトのみなさんは、この辺りで細川たかし「矢切の渡し」か、山本リンダのウララーウララー♪がウラガーウラガー♪になって、脳内再生されるそうで。
船の名前は「愛宕丸(あたごまる)」といって、渡し船の航路は全国でも珍しい水上の市道で「横須賀道」と名付けられています。船の名前は、西叶神社近くにある愛宕山から名前がとられていますよ。
船のデザインは御座船 (ござぶね)という、東叶神社の祭礼の際に御輿を運んだ船がモチーフになっていて、観光ムードもあります。浦賀湾に並ぶ大型船との対比が面白い光景です。
西岸と東岸はそんなに離れていなくて、大声を出しても届かないとは思いますが、目で見えるくらいの距離。乗車時間は3分かかるかかからないかといった感じなので、どんなに船酔いしやすい人でも酔えないくらい。
出発したと思ったら到着するくらいなので、潮風が気持ちよく感じる程度で到着します。まだ乗っていたいとゴネる子供もいるくらいです。
「浦賀の渡し」の運行時間や料金について
浦賀の渡しは、天候のいい時だけ運行しています。運行時間は7時から17時頃までのようなのですが、大体12時から13時くらいは昼休憩があります。ただ特に運行スケジュールがあるわけではなく、メンテナンスで休航の時もあるので、Twitterで確認してみてくださいね。
乗りたいなと思った時に、対岸の船が動く様子がなかったら、呼び出しボタンを押します。対岸の船にお客さんがいるかどうかは目視できますよ。
料金は片道高校生以上で200円。プラス50円で自転車も乗せられます。(2021年7月時点)船に「料金箱」と書かれたトレーがあって、船頭さんに人数を伝えて料金を入れ、お釣りが必要なら自分で持っていくというセルフスタイル。
実は自転車なら船に乗らなくても10分で行ける距離。乗船時間に比べると料金が高いなんて思われる方もいるかもしれませんが、神社では参拝料もとりませんし、アトラクションの一つと考えれば安い方です。
12月31日から1月3日は休みらしいので、初詣は注意してくださいね。
源氏の再興を願って創建された叶神社(西叶神社)
叶神社の歴史は長く、西叶神社が創建されたのは平安時代末期。平治の乱で敗北した源頼朝のために、源氏の再興を願って創建されたと言われています。後々、源氏の世になったわけですから、本当に大願が叶ったパワースポットなのです。
西叶神社と東叶神社は、良縁のパワースポットとしても有名で、西叶神社の勾玉を、東叶神社のお守り袋に納めて身につけると恋愛をはじめ、仕事などの良縁を結び付けてくれると言われています。
どちらの神社でも、大々的に販売しているわけではないので、知る人ぞ知る情報。そういった背景もあって、浦賀の渡しが注目されるのは七夕の時期。対岸を挟んで良縁を叶えるパワースポットは、まるで七夕伝説のようだと言われています。
勝海舟が渡米前に断食修行した叶神社(東叶神社)
東叶神社は、西浦賀の叶神社を勧請して創建されました。こちらの叶神社で大願成就した一人が勝海舟。
渡米前に無事にアメリカに渡れるようにと断食修行と水垢離(みずごり)をしたのが、東叶神社の山上。水垢離をした井戸は山上で見られます。
東叶神社は、鳥居をくぐるとすぐに参拝できるところが見えるのですが、実はとても奥が深いのです。山上までは石段があり、見事上り切れば良縁に恵まれると言われているので、婚活をしている人はがんばって上ってみては!
石段は森に囲まれているので、夏でも涼やかです。蚊がいるのか、入口に虫除けスプレーもおいてあります。ただ使用者が多いのか、ほとんど使い切られている場合もあるので注意してくださいね。
山奥へ入っていく途中には、源頼朝が伊豆から移植したと言われるソテツも見られます。源頼朝がソテツを植えたというところは他にもあるのですが、ソテツは数百年生きる長寿植物なので、もし源頼朝がそれを知って植えていたとしたらすごいですよね!
少し面白いのが、西叶神社の狛犬は口をあけていて、東叶神社の狛犬は口を閉じているところ。東西合わせて「阿吽(あうん)」の形になっているという説もありますよ。
東叶神社は浦賀城があったところでもあります。境内には身代わり弁天もあり、時間があればどれだけでもかけていられるようなスポットです。
浦賀の渡し・叶神社周辺のグルメスポット
サロン・アカンサス
歴史ある東叶神社の中には、まさかのイギリススタイルカフェでイングリッシュティーが楽しめます。店舗は英国式のサンルームになっていて、海が見下ろせるのが魅力的。
そういえば浦賀はペリー来航による開国の地。むしろ浦賀にちなんだカフェだと言えるのかもしれません。店内ではスコーンなどが食べられますよ。TV番組でも何回か紹介されたことがあるカフェです。
ELMAR Uraga terrace cafe(エルマール 浦賀テラスカフェ)
浦賀の渡し、東岸乗り場隣にあるカフェです。2階のテラスでは船が行き来する様子を、上からのんびり眺めていられます。メニューは、スキレットカレーやチーズケーキ、ワッフルといったスイーツなど。走水で採れた海藻を使った料理や寒天スイーツもありますよ。
松平定信、吉田松陰、佐久間象山、桂小五郎、安藤広重が利用したという有名旅館「徳田屋跡」の向かいにあります。残念ながら関東大震災により今は看板しかありませんが、歴史好きな人はこちらのカフェでお茶するのも面白そう。
ワンこぱん(サニーサイドマリーナ ウラガ内)
東浦賀にあるサニーサイドマリーナ ウラガ2階にあるパン屋さんです。東叶神社から歩いてすぐのところで、駐車場もあり。自家製酵母のバラエティー豊かなパンを販売しています。酒粕を使った個性的な味わいのパンもあります。ハード系も結構多いです。
2021年7月時点では、サンドイッチの提供と店内飲食ができなくなっています。サニーサイドマリーナにテーブルなどがあるのですが、そちらは船のオーナー専用席。渡し船で西に行けばプロムナードがあって、乗り場近くのパーゴラで食べることができますよ。
車で10分の走水へいくのもおすすめ
東叶神社、西叶神社にはそれぞれ参拝者用の駐車場があります。車で行くなら、東叶神社から車で10分の走水神社へ行くのもおすすめ。こちらも縁結びで有名なパワースポット。
日本神話でも有名な日本武尊(やまとたけるのみこと)と、 浦島太郎に出てくる乙姫様のモデルである妻の弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)が御祭神です。
走水神社近くには、漁師小屋を改装した「かねよ食堂」というオシャレカフェもあるので、興味がある人は以下の記事を読んでみてくださいね。
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かねよ食堂近くの絶景露天風呂温泉「湯楽の里」もおすすめです。
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