京急「金沢八景駅」といえば、都心から八景島シーパラダイスへ行くシーサイドライン乗り換え駅。今までは主に乗り換えをする経由駅として利用されてきた駅が、2022年4月よりプチ観光も楽しめる駅となりました。
駅のホームから見える位置にオープンしたのは「金沢八景権現山公園(かなざわはっけいごんげんやまこうえん)」。江戸時代まで遡った歴史と風情のある庭園が楽しめる、入館無料の風致公園です!
メインは藁ぶき屋根の旧円通寺客殿
金沢八景権現山公園の大メインは藁ぶき屋根の趣深い家屋。駅のホームから見えるので、「何あれ?」と思わざるを得ない存在感です。そもそも金沢八景駅という駅名自体が歴史を感じさせる名前で、この公園がオープンすることで駅のシンボル的存在ができたという感じがしますね。
実は江戸時代この辺りには、あの徳川家康を祀る東照宮がありました。その東照宮を管理する円通寺が同じ頃にできたのではないかと言われていて、この藁ぶき屋根の建物は東照宮に参拝する人をもてなす客殿だったとのこと。
そういった背景もあって、部屋の中には水戸黄門の印籠でよく知られる徳川家の家紋が釘隠しとして使用されていたりしますよ。
こちらは時代が明治に差し掛かる頃の神仏分離令で円通寺が廃寺となったタイミングで、最後の僧侶だった木村氏が住居として使うようになったため、旧木村家住宅家屋という別名も持ちます。
藁ぶき屋根といえば費用と手間が半端ないと聞いたことはありますが、よくぞ維持してくださいましたと頭が下がる思いになりますよ。中に入ったらぜひ見上げて藁ぶき屋根の様子を見てくださいね。
ちなみに風致公園ですので、遊具などは一切ありません。子供連れで遊びたい人は、シーサイドラインに乗れば八景島や海の公園にすぐ行けます!
金沢八景権現山公園でプチハイキング!
金沢八景権山公園は、京急金沢八景駅から横浜市立大学方面に出ます。エレベーターもあるので、広場までは車椅子やベビーカーでもスムーズに行くことができるようになっていますよ。
そこから奥は権現山を登っていくことができ、公園の頂上では木の隙間から海を眺めることも!昔この辺りは海だったということなので、東照宮があった頃の眺めはかなりよかったのではないかと思いを馳せることができます。
お隣の京急金沢文庫駅にある大きな車庫が上から見ることができ、電車が好きな人にはなかなか楽しいスポットのひとつ。
ちょっとした坂が続くのですが、ある程度は階段になっているので3歳くらいの子であれば登れるくらい。シニアの方もかなり登っていらっしゃいました。頂上に何かあるというわけではないので、5~10分もあればミニミニハイキングが楽しめます。
行く途中に桜・梅・モミジが見られるので、花と紅葉のシーズンがおすすめ。広場には大きな桜の木もあって、上から見下ろすのもまた一興です。桜のシーズンには、登る途中にサギソウが可憐に咲く姿も見られました。
権現山公園頂上から権現山や御伊勢山まで道が繋がっているように見えるのですが、2022年4月時点ではその先まで行くことができないようになっています。
東照宮があった展望デッキ
金沢八景権現山公園の中腹には、展望広場という小休憩できるスポットがあります。山肌沿いにある展望デッキという台が、東照宮があった場所。
オープンしたてということもあるのか、なんの案内もないので素通りしていく人も多め。行くならぜひ少し足を止めていきたいスポットです。
金沢八景権現山公園ではお茶もできます!
公園入口の広場には管理休憩棟があり、そこで座ってカップの自販機でコーヒーや紅茶などが有料で飲めるようになっています。
通常では藁ぶき屋根家屋で飲食できませんが、少人数の事前予約制で2022年5月14日以降にはお茶会なども予定されていて、コロナ次第でどうなるかはわかりませんが、そういった小イベントにも期待したいですね!
金沢八景駅は「鎌倉殿の13人」でホットな源頼朝が創建した瀬戸神社、妻の北条政子が創建した琵琶島神社ともとても近いので、金沢八景駅の周辺を歩くだけで楽しめますよ。
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