【横浜市・菊名】明治時代の蔵を再生!大人も心ときめく住所非公開の隠れ家絵本カフェ「33(さんさん)」

以下の記事は 2026年2月26日にYahoo!ニュースでも紹介された記事です。取材当時の内容となっています。

住所も、店名の入った看板も、目立つ案内もない——。

けれど、知る人ぞ知るその扉の向こうには、110年以上の時を刻む蔵を改装した、静かな絵本の世界が広がっています。


ここは、子どものためだけの場所ではありません。かつて子どもだった大人たちの特別な隠れ家です。今日は、そんな“秘密の絵本カフェ” 「33(さんさん)」をご紹介します。

読書が“体験”へと変わる場所

33の利用は完全予約制。予約が決まってから、駅からの道順を教えてもらいます。菊名駅からは歩いて2分ほどといったところでしょうか。

元の形を残して利用されている蔵の扉。「33」の世界観が始まる入口です。

入る前から圧巻の蔵の風格に高揚していましたが、足を踏み入れると、蔵の中を彩るように並んだ無数の本を前に、さらなる胸の高鳴りが止まりません。

コーヒーが運ばれるとアロマが蔵の中を優しく満たし、ほのかな古い木の香りと溶け合っていました。まるで絵本の中に入ったような時間が始まります。

席料はかかりませんが、1人につきワンドリンク以上の注文が必要です。コーヒーは注文ごとにドリップされ、マグコーヒーは990円、マグカップ2杯分のポットは1,210円で提供されます。

図書館が「読む場所」だとしたら、ここは「味わう場所」。本の世界を、コーヒーの香りとスイーツの甘さとともに楽しむことができるのです。

左:抹茶オレ(HOT)880円(アイスもあります)右:キャロットケーキ 748円。スイーツは店主の叔母様のハンドメイドです。

ドリンクとスイーツは物語の余韻をいっそう深めてくれる存在。読書の時間をより豊かなものにしてくれ、五感で楽しむ絵本の時間が流れています。

子どもは4歳から注文が必要になります。小さなカップでの提供となる子ども用ドリンクは小学生までが対象。ちなみに子ども用コカコーラは440円です。

店主が自分の子どもに読み聞かせていたという本や、近所の方から寄付してもらった本も含めて、絵本の数は現在1,400冊ほど。

コーヒーを淹れている時の香りがたまらない1階の様子。

駅の近くにありながら、蔵の中は雑踏から解放された穏やかな空間。やわらかな音楽に重なって、ときおり子どもの笑い声やページをめくる音が響きます。その音の合間に、絵本たちの「次は私を読んで」というささやきが聞こえてくるようです。

お店で同席する人たちによっては賑やかなこともありますが、貸切もできます。詳しくは記事の最後に案内するお店のInstagramでご確認ください。

思わず「かわいい!」と声に出してしまった2階席。

33の2階席は靴を脱いであがるスタイル。たとえばまだハイハイしない赤ちゃんを寝かせて、ゆっくり本を読みたいという方は2階席をどうぞ。うっかり筆者もやってしまいましたが、靴を履くのを忘れて帰ってしまいそうになるお客さんはほかにもいるのだとか。

外には往時を伝える井戸が今も大切に残されています。※子どもやペットが近づかないようお気を付けください。

天気の良い日は、ペットを連れてテラス席を利用するのも楽しそう。玄関前には看板犬の「げん」が座り、ひなたぼっこをしながらお客さんを迎える姿が愛らしいです。

33、看板犬の「げん」。

店主の想いが詰まった蔵の絵本カフェ

店のところどころに絵本の世界が感じられます。店内の絵本や小物は、お客さんから寄せられたものも。訪れる人との縁も感じさせてくれる空間です。

「絵本だけでなく、インテリアや食器など店にあるものは、自分のお気に入りのものばかり」という33の店主は、村上じゅんさん。2023年10月にオープンしてから、口コミだけで多くの人が足を運ぶお店となりました。

リピーターは近隣の方はもちろん、県外からわざわざ訪れる人も。親子連れだけでなく、1人で手仕事をされに来る方もいるのだとか。時には読書会が開かれたことや、絵本作家さんがいらしたこともあったのだそう。

梁には「上棟 明治45年」と始まる文字が記されていました。

「店名は息子(son)と太陽(sun)です。名前については悩みましたが、 店は自分にとって、とても大切な空間なので、自分にとって大切なものを店名につけようと思いました。数字の3が好きなので、表記は数字にしたんです」と村上さん。

改装前の蔵は電気も水道もありませんでした。階段はもっと急で上るのに大変だったそう。木肌を感じる壁や窓など、そのまま使われているところもあります。

村上さんの子どもが幼い頃、1日3冊の絵本を読み聞かせるのが日課でした。読み聞かせの時間は、とても穏やかなひとときだったそう。その頃から絵本は村上さんにとって、大切な存在となっています。

訪れたのは、しだれ梅が名残を楽しませてくれる頃。敷地に植えられた何本もの梅がやわらかく香り立ち、庭を優しく彩ります。窓越しに眺めるその景色は、店内にいながら季節を感じさせてくれました。

「いつか、自分のカフェを」——そう思い描いてきた村上さん。取材中、何気なく笑顔で語られていた「大変なこともあったんですけど、店を始めてから幸せなことしかない」という言葉が、とても印象的でした。

蔵の中は、お子さまの成長を記録する特別な撮影スポットとして利用されることもあります。撮影をご希望の際は、事前にお店へご相談ください。

「大切な人とリラックスしながら絵本を読む時間は、きっとよい未来につながると信じて絵本カフェをやっています。 おいしい豆を使ったコーヒーや手作りのケーキもあります。ぜひゆっくりしにいらしてください。

絵本は人をつなぐし、すきな絵本が一緒だったりすると距離がぐっと近くなるものなんだなということも店をやって感じていることです。 心にピタッとくる一冊との出会いが33であったら、本当にうれしいことです」

そう村上さんはお話ししてくれました。

予約に関する案内は、Instagramの固定投稿にまとめられています。

またヨガ教室も定期的に開催。これまで、ハンドメイド作品の展示販売会が開催されたこともあったのだとか。今後は、羊毛フェルトなどのワークショップも企画しているとのこと。

イベントの開催はInstagramで紹介されているので気になる方はチェックを。

入口に店名の入った看板はありません。控えめに記されたコーヒーのマークとQRコードが、なにかの暗号のようで胸がときめきます。

お店は不定休。実は、土曜の朝は意外にも空いていることがあるので、休日のはじまりを33で朝活するのも爽やかそう。

子どもの頃に読んだ一冊を、大人になった今、もう一度開きに行ってみませんか。

絵本カフェ「33(さんさん)」

Instagram:kuracafe33

アクセス:JR・東急「菊名駅」から歩いて2分ほど

完全予約制

営業時間 10:00~19:30(ラストオーダー 18:45)不定休

*席は1枠1時間半で最大2枠を予約できます。1時間半毎にワンドリンク以上の注文が必要です。

※住所は非公開となっており、予約が完了した際に菊名駅からの道順を教えてもらいます。

絵本カフェ33
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